北の編入生の部屋

北大法学部編入生が編入受験生に向けていろいろと発信します

法学編入志望理由書の書き方

こんにちは。IHです。

 

編入試験を受験する場合、「志望理由書」なるものの提出が求められることが多いです。

しかし、「そんなのどうやって書けばええねん」と思われる方がほとんどだと思います。

今回、どのような構成で志望理由書を書けばいいのか、書き方を簡単に説明します。是非最後までご覧ください。

 

 

1. 4部構成にしよう

志望理由書は、大学にもよりますがおよそ1000〜2000字ほど書く必要があります。結構多いですね。では、どのような構成で書くのがよいのでしょうか。

いろいろなスタイルがあると思いますが、私は4部構成をおすすめします。すなわち、

①どうして編入をしようと思ったのか
②どうしてこの大学なのか
編入後に学びたいこと・研究テーマは何か
④卒業後はどうするつもりか

を書きます。論理展開で不具合が生じるならば②と③は逆でもよいでしょう。また、2年次編入の方など、理由によっては②と③を一緒にしたほうが書きやすいこともあります。その場合は3部構成でもOKです。

以下、それぞれについて説明します。

 

①どうして編入をしようと思ったのか

これは編入試験の趣旨、すなわち学問的側面から書きましょう。しかしこの場合、具体的に定まっていないよという方も多いと思います。「そんなの学歴コンプ解消したいからだ」と思ってらっしゃる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、志望理由書において学歴コンプレックスの解消を動機にするのはご法度です。

考えてもみれば分かることですが、「あなたの年収や社会的地位がいいからあなたと付き合いたい」と言われたら、やはりいい気はしませんよね。編入試験を行う大学も、学問に対して真摯に取り組む学生を求めていますから、たとえ真の動機が学歴コンプレックス解消でも、志望理由書にその旨を記すのは控えましょう。

また、現在の大学の悪口を書き散らすのも良くありません。現在の大学では学びたいことが学べないなど、学問的側面でのウィークポイントを書く分にはOKですが、学生の質が低くて嫌になったからだとか、アクセス悪すぎて嫌になったからだとか、偏差値低すぎだとか、そのようなただの悪口は、やはり上記の理由から好ましくありません。

そのような要素を削ぎ落としていくと、「じゃあ何書けばええねん」と困ってしまう方がいらっしゃるかもしれませんが、最初のうちはそれでも構いません。最初のうちはみんなそんなものです。自己分析ではありませんが、何で自分は編入がしたいんだろう、と自分に問いかけて、ゆっくりと見つけていきましょう。

例えば、非法学部から法学部への編入の場合は、どうして法学部に行こうと思い至ったのかを考え、そこから更に掘り下げていけば立派な動機が出来上がりますし、法学部から法学部への編入の場合は、なぜ別の大学に行きたいのかを考え、そこから掘り下げればよいです。同系統の学部の場合、在籍大学と志望大学を比較して、異なった研究分野を扱っていないかを調べてそこから切り込んでいったり、志望大学が強みとしている研究分野について書いていったりするのがよいかなと思います。

 

②どうしてこの大学なのか

①とも関連していますね。日本には夥しい数の大学が存在しますが、何でこの大学じゃないとダメなのかを書きましょう。

やはり学問的側面を中心に構成するのがおすすめです。志望大学が力を入れている分野に着目するのが王道だと思いますが、もちろん皆さんが真摯にやりたいと考えている学問を、志望大学の方針と照らし合わせて記述してもよいでしょう。その周縁部に、大学のカリキュラムだとか、学習環境だとか、実績だとか、そのようなことを書いて補強してもよいです。再三の注意になりますが、学歴がいいから、就職に有利だから、などの理由は控えましょう。

 

編入後に学びたいこと・研究テーマは何か

これもそのままですね。編入後は何を学ぶのかを書きます。

2年次編入の方はまだ専門分野については詳しくないと思いますが、2年次編入に関してはそれでも大丈夫です。3年次編入の場合は、やはりそれなりに定まっていたほうがよいでしょう。志望大学の教授の論文に目を通すなどして具体的に定めていきましょう。もちろんその旨を書いても構いません。なぜその分野に興味を持ったのか、その理由も一緒に書きましょう。ここの理由が説得力を持っていると大学側の心証も良いです

一点注意ですが、○○教授のゼミに入りたい、とだけ書くのはあまり良くないと思います。そもそもその教授が翌年もその大学にいらっしゃるかは分かりませんし、万一ゼミに入れなかったらどうするの、となってしまいます。更に言えば、その先生が研究されていることとゼミの内容が合致しないこともあります。例えば民法の契約法を極めたいと思って契約法を専門とする民法の先生がいる大学に編入しても、その先生が契約法のゼミをやっているとも限りません。物権法かもしれませんし、何なら家族法かもしれません。論理の展開の上で教授やゼミの情報を省くと不都合が生じるなどの場合は、志望ゼミや教授について記述してもよいと思います。複数の理由を挙げ、そのうち一つの理由に盛り込む分にはOKでしょう。

いずれにせよ、専門分野ベースで書くのがおすすめです。志望大学が力を入れている分野ですと書きやすいですし、説得力が生まれますね。

ちなみに、面接が課される大学を受験される場合、こちらについては気を付けたほうがよいです。面接でその分野の知識を問われたり、その分野についてどのような勉強をしてきたのかを問われたりする可能性がございますので、思ってもいないことを書くのはやめましょう。

 

④卒業後はどうするつもりか

卒業後、民間就職するのか、公務員になるのか、研究大学院に行くのか、専門職大学院に行くのか、現在皆さんが思い描いている進路について書きます。もちろん、何故その進路を希望するのか、その理由と共に書きましょう。法学部ですと、法曹志望や官僚志望で書くのが書きやすいですね。

ちなみに、必ずしも編入したらそのように動く必要はありません。私も官僚志望と書きましたが今はそうは考えていません。編入先の大学で学ぶうちにいろいろ考えが変わることはあります。今のところはまだ漠然としていても、学んだことを社会に還元したいという確固たる意志を伝えるようにしましょう。皆さんの希望する進路が具体的になり、熱く鮮やかな色彩を帯びるようになれば、上っ面だけの動機や進路計画を美辞麗句で糊塗した志望理由書よりも遥かに魅力的な志望理由書になるはずです。

 

2. 可能ならパソコンで書こう

下書きはパソコンで書くのがおすすめです。何より推敲しやすく、文字数カウントも楽で、また書いていて疲れないです。

大学によっては、パソコンで書いた文章を印刷して志望理由書に貼付してもよい、としているところもあります。その場合、素直にパソコンで作成し、印刷して貼り付けてしまいましょう。フォントにもよりますが読みやすいですし、清書も楽ですし、メリットが多いです。手書きじゃないと気持ちが伝わらないなんてことはありませんので安心してください。もちろん手書き派の方は手書きでもOKです。その際は読みやすい字で丁寧に書くようにしましょう。

 

3. 他人に読んでもらおう

一人で黙々と書いていると、いつの間にか独り善がりで客観性に欠ける文章になってしまうことがあります。やはり他人に読ませる文章である以上、読み手を意識した文章を書く必要があります。

なのである程度志望理由書の下書きが完成したら、大学の教授や予備校の先生など、信頼できる人に読んでもらいましょう。可能なら添削をしてもらったほうがよいです。碩学鴻儒の大学教授に添削をしてもらうことで、志望理由書が花を咲かせ、超一流の志望理由書が完成するかもしれません。無駄に韻踏んでる

 

4. コピペはやめよう

ネットにはいろいろな情報が転がっているので、当然合格者の志望理由書なども調べたら出てきます。わざわざ書くまでもなく皆さん承知していらっしゃると思いますが、一応書いておきます。どんな感じの文章を書いているのかなと軽く参考にする程度なら構いませんが、文章の細かい部分をちょっと変えるだけでほぼ丸々コピペして志望理由書を作成するのは絶対にやめましょう。

大学の先生は意外と合格者の志望理由書が転がっていることを把握しているので、まず見抜かれます。他人の文章を剽窃するなんて何と不埒な奴だと思われますし、下手すると無条件で落とされかねません。面接があるところでは間違いなく詰問されます。絶対にやめてください。

 

5. 常体・書き言葉・短文を意識しよう

小論文や専門科目の論述と同じですね。

①です・ます調ではなく、だ・である調で書く
②でも・すごい等の話し言葉ではなく、しかし・非常に等の書き言葉で書く
③冗長な文章は避け、一文は短く書く

上記のことを意識しましょう。敬体と常体を混在させて書いてしまう方もいらっしゃいます。気を付けましょう。人によっては敬体でもいいよという方もいらっしゃるかもしれませんが、そもそも常体のほうが簡潔に書きやすく、敬体はまず適切に書くのが難しくかつ冗長な文章になりやすいので、私は常体をおすすめします。

 

6. 語尾の重複に気を付けよう

さして神経質になる必要はないかと思いますが、語尾が重複しているとどうしても稚拙な印象を与えがちです。

例えば、「♡♡大学は○○に力を入れているように感じます。○○は△△にとって不可欠だと考えます。△△によって私は××を実現したいと思います」という文章があったとしましょう。何かちょっとアホっぽく見えますね。言葉のチョイスもちょっとアホ感ありますが

とりわけ敬体は語尾が重複しがちなので、その点からも常体で作成されることをおすすめします。常体ですと少し気を付ければ語尾の重複を回避できるので、稚拙さを感じさせない志望理由書を作れるはずです。

 

7. おわりに

今回は本当に基本的な書き方について説明しました。

皆さんも志望理由書を書くときに、是非志望理由書の意義について考えてみてください。大学側は皆さんの人となりを知りたいのです。型に嵌った志望理由書は大学側も見飽きていますし、採りたいと思ってくれません。志望大学の教授の琴線に触れる志望理由書、そして皆さんだけの志望理由書を書けるようにしましょう。

 

なかなかの長文になってしまいましたが、ここまで読んでいただき、ありがとうございました。