北の編入生の部屋

北大法学部編入生が編入受験生に向けていろいろと発信します

今年の北大編入試験を振り返って

こんにちは。IHです。

 

 

気が付けばもう年末ということで、新型コロナウイルスCOVID-19に苦しめられた2020年ももう終わろうとしています。

巷では会食や帰省の自粛が叫ばれ、普段とは一風変わった年末の過ごし方を強いられている方も多いのではないでしょうか。

しかし、「そんなことは知らないにゃー」と言わんばかりに我が家の駐車場に住み着いている猫は呑気にあくびをして、蒼穹は無窮の天を高く突き抜け、雲は風任せに揺蕩い、太陽は泰然と燃えています。

現代社会の成立後初とも言える超大規模な疫禍に慌てふためいているのは人類だけで、現代社会成立の過程で人類が支配下に組み入れたと誤想しているその他の自然は、その殆どが今迄と変わらない顔つきでこの一年を過ごしていたなんて、滑稽な話ですね。

コロナ禍一色の一年だったとはいえ、禍福は糾える縄のごとし、なんて言葉もございますし、不幸はそう長く続くものではありません。翌年は慶福に満ちた一年となりますことを心よりお祈りいたします。

 

 

1. 条件や傾向は不変ではない

さて。

一応このウェブサイトは編入生に情報提供をする目的で運営されているので、今年の編入試験の話を致します。

編入試験が終わり、合格発表も既に終わっている大学も多いと思います。今年は新型コロナウイルスの影響もあってか、試験形式に大幅な変更が加えられた大学も幾らか見られました。

北大とて例外ではなく、英語の試験に辞書が使えなくなるなど、辞書ありきで対策されていた方は苦戦を強いられたことと推察いたします(本ブログの記事で「辞書が使用できる」と軽々しく記述した私にも落ち度があると思います。誠に申し訳ございませんでした)

辞書などの持込許可を縁とすることなく、仮にそれが無くても問題が解ける程度には研鑽を積んでおくべきなのかもしれませんね。それが受験する年にも継続していると断言することはできません。

これは持込許可のような明文の事項のみならず、出題傾向のような不文の事項についても同じことが言えます。もちろん優先順位をつけて勉強することは大切ですが、「この大学は憲法統治機構からは出さないから全く勉強しなくても問題ないだろう」みたいな態度を取るべきではありませんね。条件や傾向は不変ではないことに留意しつつ対策するように心がけたいところです。皆様が集められる情報につきましても、ご自身でその信憑性を推し量ることが重要となるでしょう。

 

2. 北大法の成績開示について

先日、北大の合格者の方数名から成績開示の報を受け取りました。

掲載許可を頂いているわけではないので具体的な点数は伏せますが、2年次は4割強、3年次は5割弱が合格ラインとなっていたようです。例年では6割前後が合格ラインとなっていたので、倍率の上昇に反するかのように合格ラインが大きく下降したことになります。この原因については専門科目の難化などの要素も考えられますが、一番の要因は英語なのかな、と個人的に考えます。辞書持込禁止にも関わらず記述量が目に見えて減ることはなく(寧ろ増えたのでは?)、また発音問題とかいうセンター試験のようなトリッキーな出題も一部あり、当惑した受験生も多かったのではないでしょうか。もう一つの仮説として考えられるのは採点基準を厳格にした可能性ですが、こちらは単なる憶測の域を出ないものなので考えないでおきましょう。

注目に値するのは、片方の科目の点数が非常に低い合格者の方も存在することです。具体的な点数や割合についてはご本人の名誉に関わることなので伏せますが、数学が大の苦手な私が受けたセンター試験の数学IAの点数を2で割った値と同じくらいの方もいらっしゃいました。

ここから、募集要項に記載がある「本学部が求める以上の水準の得点」について過度に気にする必要はない、ということが推測できます。もしかすると便宜上記載しているだけで、極端な話1点でも取れていれば「水準」とやらに達している可能性すら考えられます。もちろん毎年「水準」が変わる可能性もありますが、あまり気に病む必要はないでしょう。

 

3. おわりに

激動の一年が終わろうとしています。皆様くれぐれもお体にはお気をつけて、楽しい年末をお過ごしください。

来年は編入試験を受験するぞ、と決められている方は、まず英語を頑張って、次に専門科目や小論文などを対策しましょう。英語は短期間で伸ばすことが難しく、かつ殆どの大学で受験科目になっています。また、大学によって専門科目の傾向は割と異なりますが、英語についてはそれほど傾向に大きな差は見られませんし、何ならTOEICのような外部試験の成績を用いる大学も多く存在します。英語逃げ切り型の戦略を採るのも一手でしょう。

北大を受験される皆様は、来年以降も辞書が使えない可能性を考慮した対策をしておくことを推奨します。未知語の推測能力を鍛えることもできますので、極力辞書の使用は控えて勉強してみましょう。

そういえば、北大法学部で現代政治分析という講義を担当されている教授が、この度新たに新書を上梓されました。こちらの教授が政治分野の問題を作問している可能性もございますので、北大受験を検討されている方は目を通してみては如何でしょうか(教授の回し者じゃないですよ)

デモクラシーの整理法 (岩波新書 新赤版 1859)

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  • 作者:空井 護
  • 発売日: 2020/12/21
  • メディア: 新書
 

 

それでは改めまして、今年一年弊ブログをご覧いただきまして誠にありがとうございました。

来る2021年が皆様にとって稔り多き年となりますことを心よりお祈り申し上げます。