北の編入生の部屋

北大法学部編入生が編入受験生に向けていろいろと発信します

勉強ってそもそもどうやるの?

こんにちは。IHです。

 

前回の記事において、どのような手順で勉強すればよいかについて説明しました。

しかし、「そもそも勉強ってどうすればええねん」と困っている方もいらっしゃるかもしれません。

今回は、そのような方向けに、基本的な勉強方法について説明します。

本当に基本的な勉強方法なので、「そんなの知ってるよ」という方もいらっしゃるかもしれません。いらっしゃったらごめんなさい。

 

 

1. インプットとアウトプット

①未知と既知を区別しよう

まず、勉強とは基本的に、インプットとアウトプットの繰り返しによって身につくものである、と考えてください。インプットとは、新たな知識を蓄えること、アウトプットとは、その知識を活用できるようになることです。例えば、教科書を読んでいろいろな用語を覚えることはインプット、問題集を解くことはアウトプットにあたります。

勉強する上で重要なことは、何を知っていて何を知らないのかをある程度区別することです。未知の知識を蓄積することがインプットですから、既知の知識についてはインプットする必要はありません。

例えば、英単語を覚える場合、何回も何回も単語帳を読むことになると思いますが、やり直すたびに全部の単語に目を遣っていては、極めて非効率的で、時間が勿体ないです。1周目で覚えた単語は、2周目以降に覚えようとする必要はありませんよね。覚えられなかった・知らなかった単語はマーカーか何かで印を付けておきましょう。2周目は印を付けた単語だけを見ればよいことになるので、効率的です。さらにそれでも覚えられなかった単語は別の色でマーカーを付ければ、3周目は2色の印が付いた単語だけを見ればよいことになります。これを繰り返すことで、マトリョーシカのように、周回する度に未知の単語の量がどんどん少なくなっていきます。同じ周回回数でも、これをするとしないとでは、その労力には途轍もない差が生じます。

未知と既知の峻別が出来ていないと、勉強効率が悪くなってしまいます。したがって、そのための時間を割く必要がありますが、これには結構な時間、労力がかかると思います。その科目を勉強し始めた最初の段階においては質より量を重視しましょう。

 

②インプット

まず、インプットをする上で、非常に大切なことがあります。それは、ただ漫然と文字を眺めたり、ただ大事そうなところに下線を引いたり、文章をそのまま覚えようとしたりすることは、インプットではない、ということです。その状態では、言ってしまえば脳は動いていないのです。

では、どのようにすれば良いインプットができるのでしょうか。王道は、自分の言葉で記憶することです。覚えるべき知識の説明文をそのまま覚えるより、その文章、或いは言葉の意味を吟味し、頭の中で具象化し、自分の言葉に直して解釈したほうが、ずっと簡単に覚えられます。

簡単な例を挙げます。「罪刑法定主義」という言葉の意味を覚えることを想定しましょう。Wikipediaで「罪刑法定主義」のページを見てみると、「ある行為を犯罪として処罰するためには、立法府が制定する法令において、犯罪とされる行為の内容、及びそれに対して科される刑罰を予め、明確に規定しておかなければならないとする原則のこと」と説明されています(罪刑法定主義 - Wikipedia)。この長々とした説明をそのまま覚えるのは大変ですし、すぐ忘れてしまいます。それより、「犯罰は予め律でめられていなければいけないんだな」と自分なりに言い換えて覚えてしまったほうが楽です。

また、本を読む場合、ただ漫然と本を読んでいては、気づけば文字を目で追っているだけで、全く頭に入っていないということがよくあります。このような場合には、なぜ? を常に投げ掛けることで、頭に入れやすくなります。

罪刑法定主義の場合、「何で犯罪と刑罰は予め法律で定めなきゃアカンの?」と疑問を投げ掛けてみます。そうすると、その理由を文章から読み解こうとしたり、或いは自分の頭でいろいろと考えてみたりするはずです。その結果、罪刑法定主義がないと権力者の気分で好き勝手に刑罰権が行使されちゃうから、歯止めをかけているのか」という結論に至ります(本当はもっといろいろ理由がありますが割愛します)。

ただ文章を目で追っているより、自分の頭であれこれ考え、主体的に文章を読み、或いは調べることで、脳がより活発に動き、その記憶はより強固なものになります。インプットをする際には、作業感を捨てて、好奇心を持つようにしましょう。自分にとって新奇性の強い事柄は、自ずと記憶に残りやすくなります。

 

③アウトプット

さて、本を読んだり単語帳を読んだりして、ある程度インプットできたぞ、となったら、アウトプットをしていきましょう。問題を解いたり、得た知識を説明したりすることで、何が分かっていて何が分かっていないのか、その境界線がぼんやりと輪郭を帯びていきます。

ここで大切なことは、ある程度インプットできたらアウトプットに入ってしまってよい、ということです。徹底的にインプットしようとするとどうしても疲れますし、完璧にインプットしたと思っていても、必ず知識の欠落は発生しますから、完全にインプットしようとする必要はありません。だいたい全体の7、8割はインプットできたぞ、となったら、該当箇所の問題を解いてみたり、自分の言葉で説明してみたりして、アウトプットを行いましょう。アウトプットを行い、解けなかったものについては、再びインプットの対象になります。勘などではなく自分の知識に基づいて解けたものについては、再度インプットする必要はありません。

また、アウトプットをおざなりにはしないでください。繰り返しになりますが、アウトプットをすることで、自分は何が分かっていて何が分かっていないのかが洗い出せるので、アウトプットをしないと勉強が上手く進みません。

 

2. 勉強時間を決めるのはやめよう

勉強が苦手な人にありがちなのは、「今日は3時間勉強しよう」と、勉強時間をはっきり決めてしまうことです。勉強時間をはっきり決めてしまうと、ともすると、机に向かっていただけで勉強した気になってしまいがちで、実際には勉強していなかった、という重大な問題に繋がってしまいかねません。

なので、時間を設定するより、「今日はこの科目のこの分野をマスターするぞ」と、1日の勉強の目標を設定し、目標の達成を目指すやり方にしたほうがよいです。このとき注意していただきたいのが、「今日はこの本のここまでやろう」物理的に勉強の範囲を決めてしまうことです。このような場合、往々にして、本を読み流して範囲を終わらせ、結果勉強した気になるだけで終わってしまいます。このような目標の決め方ですと、どうしても勉強が作業に転化してしまいます。そのため、物理的に何ページまで、と決めるのは危険です。内容的にここが理解できるまで、といったように、内容で目標を設定しましょう。怠けない自信がある方は物理的に目標を立てても構いませんが

 

3. 目標を設定しよう

短期的目標については前章で説明しました。それとは別に、中期的、或いは長期的なスパンで目標を設定する必要があります。それぞれ中期的目標長期的目標と呼ぶことにしましょう。名前は私が勝手に決めた便宜上のものなので、好きな呼び方で理解してください。

中期的目標は「今月までにはこの科目とこの科目の基礎を完成させるぞ」比較的長めに期間を取って目標を立てること、長期的目標の場合は「試験までにはこれとこれとこれをパーフェクトにするぞ」試験勉強期間全体で目標を立てることです。「何月までには全ての科目の基礎を盤石にするぞ」と、中長期的目標を立ててもよいでしょう。

長期的目標は、過去問研究などをする過程で自ずと定まってきます。その長期的目標を達成する上で、試験日までに何をすればよいかを逆算し、例えばいつまでにこの科目の基礎を完璧にするか、などの中期的目標を定めます。更にその中に、1日ずつ短期的目標が入ります。ある程度勉強の戦略やプロットを決めておくことで、いつまでに何をすればよいかを冷静に考えることができます。前の記事で私が提案したような勉強の流れに沿って、目標を立てるのもよいでしょう。予備校の先生や大学の教授と相談しながら目標を定めても構いません。

ただ、どれほどの分量があるのか分からない段階で目標を立てても破綻するのがオチです。目標は、今の自分の実力をある程度把握し、するべき勉強の分量を理解した上で、無理のない範囲で立てる必要があります。例えば、初学者が目標を立てる際、最初のひと月で専門科目を完璧にする、などといった目標はまず達成できません。自分の身の丈に合った目標を設定しましょう。

 

4. おわりに

勉強法は千差万別ですが、意識的であれ無意識的であれ、勉強ができる人の勉強法にはこれらの事項が含まれています。これらの事項を自分の勉強法に取り入れ、我が物とすることができれば、きっと皆さんの成長にも繋がると思います。勉強は大変かもしれませんが、倦まず弛まず、そして屈せずに、邁進してください。何様だと思われるかもしれませんが

 

前の記事で短めにするとか言った癖に長々と書いてしまいました。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。